多人数ゲームでは,自分のプレイが自分の利得と関係なく他プレイヤの利得のみに影響する状態が 発生する.そのため,多人数ゲームでは,他のプレイヤのプレイアルゴリズムに影響を受けて各プレイヤ の強さが変動する可能性がある.本研究では,多人数不完全情報ゲームである大貧民を用いて,他プレイ ヤのプレイアルゴリズムの違いがプレイヤの強さに与える影響について調査した.同程度の強さを持つプ レイヤとして,ヒューリスティックなルールに基づいてプレイするルールベース型,手役につけた評価値 をもとにプレイする評価値型,モンテカルロ法により手役を決定するモンテカルロ型の3 種類を用意した. さらに,これらよりも強いものを1 種類,弱いものを1 種類用意した.これらのプレイヤによる組合せを 複数つくり対戦させ,対戦結果を比較した.その結果,自身と同じプレイヤが増えると,増えた分だけ得 点を下げていく組合せを発見した.また,異なる強さのプレイヤの存在により,同程度の強さのプレイヤ の得点差が変化することを確認した.