第32回ゲーム情報学研究会(発表件数4件+特別セッション)



第32回ゲーム情報学研究会(発表件数4件,特別セッション1件)

日時:平成26年7月5日(土)13:10 - 17:10
場所:香川大学 幸町キャンパス(香川県高松市幸町1-1)
研究交流棟5階研究者交流スペース
http://www.kagawa-u.ac.jp/info/map/saiwai.html
http://www.kagawa-u.ac.jp/access/saiwai/

主査:伊藤 毅志 幹事: 鶴岡 慶雅,篠田 正人,大久保 誠也,保木邦仁
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[プログラム]
一般講演 (30分):発表 25 分 + 質疑応答 5 分
[13:10 -- 15:10] 一般講演 (4件)
[15:30 -- 17:00] 特別セッション
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一般講演 [13:10-15:10]

1)コンピュータ将棋の現状2014春
  ○瀧澤 武信(早稲田大学)
概要:
第24回世界コンピュータ将棋選手権が2014年5月に開かれた。今回は45 チー ムの
申し込みがあった.コンピュータ将棋の実力も大いに上がってお り,2014 年の
選手権の上位入賞ソフトはプロ中位以上と思われる.この報告では同選 手 権に
おける将棋ソフトウエアの実力について考察する。

2)統合ネットワーク将棋支援システムSAKURAの評価
  ○衣畑 俊希、三浦 龍、大原 紳司、田頭 佳和、豊嶋 真司、垂水 浩 幸、 林 敏浩(香川大学)
概要:
現在のネットワーク上の将棋サービスは主に対局を目的としたもので、 対 局後
の感想戦や対局を記録したデータベース、将棋の人工知能等、他のソフ ト ウェ
アのインターフェースを持ち、統合して利用できるようにしたものがな かっ た。
そこで我々は統合的な将棋支援をネットワーク上で行うためのシステム SAKURA
を開発している。SAKURAの特徴の一つは議論モデルとプロトコルの定 義、 ツ リー
図を利用したインタフェース、人工知能を利用したネットワーク上の感 想 戦支
援、もう一つの特徴は、棋譜と局面の2種類のデータ単位を持つデータ ベース
である。本論文では将棋部員によるこれらの機能の評価について述べ、 SAKURA
の有用性について示す。

3)コンピュータ囲碁におけるPTSを用いたモンテカルロ木探索
  ○田中 一樹、藤田 玄(大阪電気通信大学)
概要:
近年のコンピュータ囲碁ではモンテカルロ木探索,主にUCTと局面評価 関 数 を組
み合わせた手法が広く知られている. しかし,いまだコンピュータ囲 碁 の 局面
評価関数の多くは,中途の局面の評価を行うので一回の局面評価に時間 が かか
る傾向にある.本研究では,UCTの中で着手決定に用いられるプレイア ウ ト の終
局盤面に注目し複数の終局状態の局面を集めることでより少ない時間で 盤 面評
価を終了させる手法を提案する. 実験では,すでにUCTを使って成果を 挙 げて
いるFuegoに評価関数を組み合わせることで性能評価を行う. その結 果,UCT単
独よりも優れた成果を挙げることが出来た.

4)一般ゲームからの知識獲得
  ○佐藤 祐一郎、飯田 弘之(北陸先端科学技術大学院大学)
概要:
本論文では一般ゲームにおいて、単純なゲームから知識を獲得し、より 複 雑な
ゲームに応用する手法について報告する。単純なゲームとして3目並べ を 採 用し
た。そのランダム着手によるゲームのシミュレーションから、勝利条件 で ある
「線」という知識を獲得した。獲得した知識を4目並べなどの、より複 雑 な ゲー
ムの盤面評価関数を作るために応用し、結果を評価した。

特別セッション [15:30-17:00]

「人狼人工知能プロジェクトの概要と展望」
話題提供:
 ○鳥海不二夫(東京大学)
 ○稲葉通将(広島市立大学)
 ○大澤博隆(筑波大学)
  片上大輔(東京工芸大学)
 ○篠田孝祐(電気通信大学)
 ○松原仁(はこだて未来大学)
概要:不完全情報コミュニケーションゲームである「人狼」を題材にし た 研究
プロジェクトの概要を紹介し、ゲーム情報学という観点からこのプロ ジェ クト
の将来について展望していく。
司会:伊藤毅志(電気通信大学)